リノベーション 創る 愛着をもち、長い時を過ごしてきた住まい・家。流れていた「とき」にはひとそれぞれの色・暮らしがあります。それぞれの色をもつ空間に作り手の思いが新たに加わり、そうした気持ちが重なることで、新しい価値観が生まれ、より豊かな生活が創られていく。時の流れや季節の移り変わりを感じる「時感」ある・心地よい暮らしに繋がることを大切にリノベーション・デザインしています。

三重との出会い・記憶と予感 ひとつの場所にとどまらず、美しいものを数多くみてきました。三重は、他のどこでもない、美しい時と場があり、私のなかにとくべつな感覚が残っているのです。考えてみると...10代という多感な時に三重との出会いがありました。はじめての出会いであるにも関わらず、「ほんわり」と心が広がる感覚を幾度となく体感しました。それは、その風景のもつ「音」、人が話す「音」、その「音」がとても心地よく響き、色々な感覚を解きほぐしてくれるからなのでしょう。自身の内なる声との自由な対話からうまれる創作が、まだ見ぬ「美しさ=光」を期待させてくれます。自由に、素直に、美しさと向き合いたい。もっと素直な目でモノをみて、感じ、カタチにしていくことで、暮らしを見つめていきたい。美しい風土ある三重で、あたたかな(たおやかさもつ)三重の多くの方々の心に語りかけて、「モノと暮らしを結びたい」と考えるようになりました。 


光と空間 光と陰が人にもたらす情緒。薄暗い茶室のなかで、障子越しにとどく柔らかな光は人びとに静かにモノを見ることを教えてくれます。じっくりと向き合うこと。そうすることで見えていなかったものが見えてくる。要素と向き合い、意識を集中させて、引き算をしていくことで、新たな空間に出会うことができるのです。このような日本的な美意識を重んじて、わずかな光の変化や季節の気配とともに、空間のもつ繊細な表情を愉しんで頂けるようデザインをしています。日本人のもつ共有の感性を大切にしながら、住まい手と作り手ともに「時感」ある暮らしに、心をこめて手を加えて、今までになかったものを新たに紡ぎ、暮らしをつないでいきたいと考えています。

鈴木結加里 Yukari Suzuki Interior designer "鈴木結加里 Yukari Suzuki
呉服店の長女として生まれ、着物と茶道という日本文化の中に育つ。南山大学外国語学部英米学科を卒業後、美術館に就職。その後、モダンアートのギャラリーに勤務。一人で出かけた世界各国の作家を訪ね歩く旅で、数多くの出会いに恵まれる。帰国後、ウィンドウディスプレイデザインの会社、インテリアコーディネーター事務所を経て、広告写真プロダクションの株式会社スタジオ・ワークに属し、インテリアデザイナーとして活動を開始。繊細な感性と個性という言葉を超えた独特な存在感が魅力。常に追求する姿勢に、周囲には職人・作家たちが集う。それらのネットワークを活かし、住宅、集合住宅、店舗、ショールーム等、様々なプロジェクトに関わる。近年は講演・研修の依頼が増え、インテリア・建築業界の後進の育成に貢献している。

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